私が怜奈さんに渡されたのは、怜奈さんの名刺だった。
"アメリカ法律事務所 弁護士 倉崎 怜奈"
「弁護士なんですか!?」
「そう。元々は日本で事務所を創って、その事件について自分で調べようとしたんだけど。まだ未熟だったからもっともっと弁護士としての経験を積むために、今は犯罪係数が多いアメリカで見習いとして働いているの」
そうだったんだ。
だからあんなに詳しい事を知っているのか。
警察関係者だと思ってすみません!
「私が言える事はこれぐらい。
ごめんなさいね、もっといい情報を教える事が出来れば良かったのに」
本当に優しい人。
嶺亜くんみたい。
よくよく見れば、嶺亜くんと顔が少し…似てる?
まさかね。
「何言ってるんですか!この事件について情報を提供して下さる時点でいい情報なんですよ!」
悪い情報なんかない。
同じ情報だとしても、それぐらい確信に迫れる。

