愛する人の笑顔を守るために


「ッチ。しつけぇな………逃げるぞ」

「あ!ちょっと!」


無意識なのか、私の腕を掴んでなぜか私までもが一緒に走る事になった。

私達の後ろには千奈と翔馬くんと哲くん。

そして女の子達が追いかけて来る。

嶺亜くんに引っ張られるがままに階段を上がれば、屋上に着いた。


「はぁ…はぁ…はぁ」

「……撒いたか?」


猛ダッシュで走ったから、皆肩で息をするようにして呼吸を整えていた。


「ッチ。くっそ!」

「もう無理!」


私達の数分後に屋上に上がってきたのは直くんと颯馬くん。

可愛い顔から想像もつかない言葉をを発した直くん。


「あ!由乃ちゃんと千奈ちゃんだー!」


言葉では表せないほどの血相だった顔に、ワントーン低かった声だったのが、私達を見つけると可愛らしい笑顔になり、声も戻った。