「助けてー!翔馬ー!」
次に聞こえてくるのは颯馬くんの声。
赤髪だからどこにいるのかがよく分かる。
「ファイト!颯馬!」
「見捨てんな翔馬ーー!!」
助けを呼ばれている翔馬くんは、全く助ける気が無く笑顔で手を振っていた。
本当大変そう。
鬼瑠の6人皆、顔立ち整ってるから女の子達が興奮するのも分からなくはない。
「はぁ……これだから女はだりぃ」
あの群がる女の子達の所に居たはずの嶺亜くんが、いつの間にか私達の所へ来ていた。
「嶺亜くん大丈夫?」
疲れているのか、上半身を前に倒している。
私が声をかけると、下を向いていた顔が上がり、視線がぶつかり合う。
「大丈夫じゃね…「あ!嶺亜さんいた!」
嶺亜くんを見つけては、嶺亜くんに近付いてくる女の子達。

