私と哲くんは2人のイチャイチャ姿に、何も言えないでボーッとしているだけだった。


「あれ、嶺亜くん達はどうしたの?」

「……埋もれてる」


哲くんが指を指す方に、私の目線も同じ方向を向く。


「ちょっ、邪魔!」

「嶺亜さん!離れないでくださいよー!」

「ベタベタ触んじゃねぇ!」


無表情でクールな嶺亜くんでさえ、いつになく眉間にシワを寄せて困り顔になっている。


え、あれって……もしかして直くん…?


「直くんそんなに怖い顔しなーいの!」

「直くんこっち来てー!」


女の子達の声を耳に入れてないのか。ずっと無視している直くん。
さらには、あの可愛らしい顔が凄く冷酷に女の子達を睨んでいた。