そしてちょっと怖い!


「ね、ねぇ!いつもこんなスピードで走ってるの?」


赤信号で止まっている間、嶺亜くんに話しかける。


「いや、今日は遅めに走ってる」


は??

これで遅いの!?
絶対80キロはあるよね!?

落ちないように必死で、自分の手を握りしめていた手がいつの間にか、嶺亜くんの洋服を掴んでいた。


家に近づくにつれ、嶺亜くんに道を教えていく。


「送ってくれてありがとう!」

「ん」


嶺亜くんにお礼を言うも、嶺亜くんはたった1文字だけの返事。

あんなに速いスピードなもんだから、徒歩で1時間は掛かるのに、今日は20分ぐらいで着いてしまった。

恐ろしっ!


「あいつらが騒がしくして悪かったな」

「へぃ!?」


いきなり嶺亜くんが謝ったから、つい変な声が出てしまった。