あれが、"血の悪魔"と呼ばれた喧嘩。
俺らが想像していたよりもすげー強くて、喧嘩する姿は誰が見ても綺麗だった。
思わず魅入ってしまったけど、そんな悠長な事考えてる暇なく、俺らは由乃と一緒に戦い始めた。
そして、端で黙って見ていた金髪の男が由乃を刺してしまった。
俺を庇って刺されたんだ。
「あれ?なんだ、まさか自分から庇いにくるとは。
ボスの殺せと言う命令に従ってくれてありがとね?お嬢ちゃん」
この言動で俺らの怒りの糸はブチンと切れた。
「てめぇ……」
「殺す」
俺は由乃を支えていて無理だったが、その代わりに直と哲が本当に殺しにかかるぐらいに男を殴っていく。