うわー、本当に"家"ね。

でも、彼は"俺達"と言っていた。
他にも人が居るってこと?



「好きに座れ。なんか飲むか?」

「あ、うん!」

「水、お茶、紅茶、コーヒー、ミルク」

「じゃあ、紅茶で」

「アイス?ストレート?」

「うん!」


近くにあるソファに座ると、テレビの上にある文字に視線が食いつく。


「はい」

「あ、ありがとう!」


私に作ってくれた紅茶を渡すと、彼は向かい側のソファに座った。


「ここってどういう場所なの?」


アイスコーヒーを飲む彼に問いかけると、カランッと氷が溶ける音がした。


「ここは、俺ら暴走族が集まる場所。その文字はこの暴走族の名前だ」


躊躇うことも無く、簡潔に話す彼。

鬼に瑠璃(るり)の瑠と書いて、


鬼瑠(きりゅう)。