こういう瞬間は、地味に好きだったりもする。



カッ。


背後から鉄パイプが地面と掠れた音が聞こえ、瞬時に回し蹴りをした。

喧嘩をする事自体も楽しいけど、こうやって鬼瑠の皆と一緒に戦うのも悪くない。


いつも私1人だったから、誰かと一緒に戦うというものを知らなかった。




不良になったから、強さを知った。


復讐を誓ったから、鬼瑠に会えた。



恋というものを知っていたから、嶺亜くんを好きになれた。



私のかけがえのないものは、今。

ここにある。