だから人を殴って人が倒れていく瞬間は、凄く楽しいのよね。

不良の頃はそれで喧嘩を辞められなかった。


男達を殴ると、血がどんどん拳に付いていく。


そのうち、喧嘩に夢中の私はフードが取れていることに気付かなかった。


両腕を2人の男に掴まれ、鉄パイプを持った男が私に殴りかかろうとする。

これは、ピンチ?
いや、こういうのはね。

こうするの。


両腕を掴んでいる男達の顔面を思いっきりぶつけさせ、それを盾にする。

喧嘩していれば、体力だってそこそこは付く。


思いっきり走って殴りかかるもんだから、その足は止められないはず。


だから鉄パイプを持った男の行く先は私が2人同時にぶつけさせた顔へとゴール。

2人の男が離れたと同時に、私は鉄パイプを持った男の首に回し蹴りした。


これ、嶺亜くんがしてたのよね。


喧嘩中だって言うのにこんな事考えるなんて、まだまだ余裕ね。