家に帰ると、机にはお父さんが書いた紙が置かれていた。
"まさかの冷蔵庫に食材が何もない!!
だからパパは今から買い物に行ってくるね!"
パパって、お父さんの中の私は何歳だよ…。
1度もそんな事言った事ないし。
お父さんが帰ってくる前に家を出よう。
自分の部屋に行き、押し入れにハンガーで掛けられている赤いコート。
学校の制服から全身黒の洋服に着替えて、赤いコートを羽織る。
机の上に置かれている口紅を取り、唇に塗っていく。
髪色は違うけど、久しぶりに見た姿。
1度深く息を吐き、息を吸うと同時に目を開ける。
完全なる"血の悪魔"になる。
家を出る前に、お父さんが書き残した紙の裏側に私もメッセージを送る。

