金髪の男が発した言葉に、その場にいた他の男達が凍りつく。


きりゅう…?


今総長って…言った?


「失せろ」


彼のとてつもないドスの効いた低い声で、不良達は走り去った。

ありがとうと言う前に一言。


「遅い!」


待ち合わせ時間から1時間も経ってる!


「わり。急用が入った」


でもまぁ、助けてくれたからいいけど。


「助けてくれてありがとう!」


お礼はちゃんと言わないといけない。

だから笑いかけて言ったんだけど……なぜか固まり、私の顔をじっと見る。


「な、何?なんか付いてる?」


顔を触るけど、特にこれと言ったものは付いていない。


「行くか」

「え……」


我に返ったのかすぐに戻り、何事もなかったかのように歩いていく。

一体何があったの?