愛する人の笑顔を守るために


こう言うしかなかった。


"宮ちゃんは亮龍会と繋がっていて、私を亮龍会と合わせた"

なんて言ったら、私が嶺亜くんの気を引こうとしてるみたいで嫌だから。

そんなことしたら、アイツらが宮ちゃんを利用するのと同じだから。


『……由乃は?』

「え?」

『怪我、してないのか?』


私の心配してくれるなんて、嶺亜くんは本当優しい人。

初めて会った時もそうだった。


「うん、私は大丈夫!」

『分かった。すぐ行く』


多分嶺亜くんは今学校にいるはず。

昨日、颯馬くんが言ってたから。



学校からだったら病院まではバイクでも1時間はかかる。

でも、嶺亜くんのあのスピードなら30分もかからなさそうだなぁ。