愛する人の笑顔を守るために


救急車が来て、私は付き添いで一緒に病院へ向かった。
お父さんと嶺亜くんが来た事のある北澤大学病院へ。



ー手術中ー

そう書かれ、赤く光る電光掲示板。


私は、手術室の前にある椅子に座って終わるのを待つ。

そうだ、この事嶺亜くんに知らせないとダメだよね。


ープルルルルルッ。プルルルルルッ。


『由乃か、どうした?』


久しぶりに聞いた声。

恋しいという気持ちが、邪魔をする。


「嶺亜くん。今すぐ北澤大学病院に来て!」

『何があった?大丈夫なのか?』


あ、これ多分私に対して心配してるんだよね。


「あ、私じゃなくて!
宮ちゃんがいきなり通り魔に襲われてお腹を刺されたの。
その時、宮ちゃんが倒れているのを私が通りかかったから、今病院で手術を受けている所なの。だから来て!」