「なんでよ……なんで…怒らないの?」

「…怒ってるよ」


私の怒りはもう、とっくに限界を超えている。
たけど、こんなに怒るのは亮龍会に対しての怒り。

宮ちゃんへの怒りは、自分を犠牲にした事。


「分かってたよね?亮龍会がどんなにタチが悪い暴力団なのか。こうなる事ぐらい少しは分かってたはずよね?」

「…っ……」


図星なのか、何も言えなくなる宮ちゃん。

それでいい。
喋ると余計に血が止まらなくなる。




「宮ちゃん。私はどんなに嫌われようが憎まれようが別に屁とも思わない。

だけど、私の大切な人を傷付けるアイツらを私は許さない。

この意味が分かる?

嶺亜くんや鬼瑠の皆は、私の大切な仲間なの。宮ちゃんが嶺亜くんの彼女ということは、私の大切な人の中に入ってるんだよ」