ひとまず、宮ちゃんを助けるために救急車を呼ばないと。


「もしもし、怪我人がいるので救急車をお願いします。はい。ーーー」


場所と今どのような容体なのかを詳しく言った。

私が救急に電話をしたからなのか、驚いてるのが分かる。


「今救急車来るから、もうちょっと頑張って」


血が止まらない。

鞄の中にあるハンカチで傷口を塞ぐ。


宮ちゃんの白い服は真っ赤な血で汚れていく。


「…っ!…」


苦痛の表情をする宮ちゃん。

痛いだろうけど、もう少しだから。


「……なんでよ……なんでっ…助けようと…するのよ……」


呼吸が荒くなりながらも喋ろうとする。


「喋らないで」