そんな彼女に、突然不幸が舞い降りた。

彼女の母親が死んだという事。



その日の彼女は一切笑う事無く、無差別に不良達を殴って暴れた。

殴っていく度に骨が折れているとは気付かず、自分の血と何百人という誰のものなのか知らない血で彼女の拳は真っ赤に染められていた。



普段は目元まで隠れるぐらいにフードを被り。
フードの中から見えるものはベージュ色のロングヘアと赤い唇が見えるだけだった。


でもこの日は、誰も知らない彼女の顔が顕にした時だった。
誰が見ても女神のように美しい美貌の持ち主だったが、彼女の頬には沢山の涙が流れていた。