愛する人の笑顔を守るために


「心辺りが?」


小さな変化でもすぐに気付く警察には、何かあるのだと悟られてしまった。

これは言っていいのだろうか?

言ってもし、お父さんみたいに周りの人達が狙われたら元も子もない。



千奈。
鬼瑠の皆。



嶺亜くん。


私の大切な人達を、傷つける訳にはいかない。


「いえ。特にそういった人は思い付きません」


私は嘘をついた。


「そうですか。

お父さんが病院に搬送される前に、目撃者がいたんです」


目撃者?


「お父さんが倒れた直後に、誰かが走り去るのを見たと」

「誰なんですか!?」

「一瞬の出来事だったので分からないそうです。でも、手には棒らしき物を持っていたと証言していました」