直くんは頷いて、急いで部屋を出る。
「今日は少し速く走るから、ちゃんと掴まってて!」
「分かった!」
落ちないよう、腕により一層力を入れた。
病院に着き、急いで受付の人にお父さんがいる病室を聞く。
ガラガラッ!
「お父さんっ…!!」
609号室と書かれた病室を見つけ、ドアを開けると。
お父さんのベットの傍に、1人の担当の医師であろう人が立っていた。
「命に別状はありません。幸いにも、脳に損傷は無いので、軽傷です。2、3日も経てば意識は戻ると思います」
お父さんの頭にはグルグルに巻かれた包帯が見えるけど、先生の言葉に安心をした。
「…お父さん……」

