『分かった。すぐ行くからちょっと待っててね』
「ごめんね、直くん」
『いいっていいって!』
そういえば。
直くんは女の子嫌いなのに、最初に出会った時から、私には嫌悪感を抱いていなかった。
今更にして疑問を抱く。
「由乃ちゃーん!お待たせ!」
あれ?
「…颯馬くん?」
「歩いて来れる距離じゃないし。かと言ってバイクを2つも走らせるわけには行かないから。颯馬も連れてきたんだ」
そういう事ね。
「2人ともありがとう」
2人にお礼を言うと、直くんが頭ポンっと優しく、手を頭を乗せた。
「これからも、困った時は遠慮なくこうやって頼っていいからね?」
「うん!」
「由乃は鬼瑠の仲間なんだからな!」

