「何言ってるのよ由乃ちゃん!あなたはナンパされやすいんだから心配なのよ!!」


心配してくれてるのは有難いんですけど。


「姉貴、顔どうにかしろ」


多分皆、怜奈さんの顔にしか目が行っていないと思う。

さっきまで泣いてたもんだから、涙でアイライナーとマスカラが落ちて、顔が悪魔みたいに怖くなってる。


「分かった。じゃあ荷物よろしく!」

「……だる」


化粧直しにお手洗いへと向かう怜奈さん。
荷物は嶺亜くんに預けたまま。


「怜さん相変わらずだね〜!」

「どっちが子供なんだか」


直くんの言葉に続ける嶺亜くんは、呆れている様子だった。


「早見」


私の隣にいた哲くん。