「うん!私は早見 由乃」

「へー!由乃ちゃんか!これからまた会う事があればよろしくね?」

「こちらこそ、よろしく!」

「それじゃ!由乃ちゃんと怜姉さんまたね!」


手を振る宮ちゃんは、怜奈さんから私に視線を戻す時。ニヤリと不敵な笑みを浮かべた。

それがどういう意味をもたらしているのかは分からない。


だけど、嫌な予感はする。

私はドアに再び手をかけ、怜奈さんの車に乗り込んだ。


「私が高校生の頃から、宮ちゃんの事は知ってるけど。私、あの子苦手なのよね」


怜奈さんが私の家へと送ってくれている帰り道。

怜奈さんの意外な発言にまたもや驚かされる。


「え?そう、なんですか?」

「うん。あの子嶺亜に好意持ってるから。何かと気に入られようと、私に媚びを売ってくるのよ」