モテそうな顔をして、こんなにも目立つような格好をしているのに。

1度も学校では見かけた事がない。


なんでだろう?


それはさておき。多分っていうか、確実に不良だわこの人。

元不良だったからか、こういうのはすぐに見分けがつく。


「なんでお前が謝んだよ。悪ぃのはこっちだろ」


なんか、紳士的な不良?

何も表情を表に出さず、ずっと無表情の彼。


「それ、2年前にあったひき逃げか」

「え?」


あ、これを見たのね。

彼の視線は、私の手元にある新聞紙の切り抜きを見ていた。


「そうですけど…」

「その事件にはあまり関わらない方が身のためだな」


この人、事件の事を知っている…?


「もしかして、犯人が分かるんですか!?」


私が彼に近寄ると、驚いたのか目を見開く。


「お前とその事件、なんか関係あんの?」


そしてすぐに無表情に戻る。



「まぁ…ちょっと…」