ープルルルルルッ、プルルルルルッ。
お風呂から上がってドライヤーで髪を乾かしていると、スマホから着信音が鳴っている事に気付く。
嶺亜くんの名前が映し出される。
本当なら、今すぐにでも電話に出たいとは思う。
思うけど、今は何を話したらいいのかが分からない。
「…も、もしもし」
2回目の着信の時。
意を決して、スマホを耳に当てる。
『由乃』
私の名前を呼ぶ声。
そんなに時間経ってないはずなのに、凄く久しぶりに感じるのはなんでだろう。
「どうか…したの?…」
変な緊張のせいで、しどろもどろになる。
『いや、特に対した用事じゃねぇけど。アイツらにちゃんと送ってもらえたか?』
アイツらって言うのは、多分鬼瑠の幹部5人。
もしかして、心配…してたのかな?
そんな訳ないか。