「京は黙ってれば、普通にイケメンなんだけどな…」


颯馬くんの呆れた顔。
私も颯馬くんの言う事には、一理ある。

直くんに手当してもらったのに、哲くんが家にまで送ってくれた。

浴衣だから、バイクに乗れなくて歩いたけど。


「今日はありがとう!哲くん」


本当にさっきから哲くんに助けてもらってばかりだな。


「別に。じゃ、気をつけて」


哲くんはそれだけを言って、来た道を戻って行った。

哲くんも嶺亜くんと同じ。
感情を表に出す事があまり無い。

でも、たまに微笑んでいる所は見かける。

だからかな。
哲くんを見ていると、嶺亜くんの事が頭に過ぎってしまう。


宮ちゃんが嶺亜くんの彼女だとしたら。
嶺亜くんが宮ちゃんを好きだとしたら…。


私の片思いは、このまま終わるかもしれない。