家に帰って自分で手当てしようと思ったけど、まさか哲くんに気付かれていたとは。


「は?由乃怪我してんの!?」


近所迷惑になりそうなくらいに大声で言う颯馬くん。
それを代弁するかのように哲くんが突っ込む。


「颯馬うるさい」

「悪い。でもなんでずっと黙ってたんだよ!」

「ごめんね…。でも歩けない訳では無いから大丈夫!」


そう言うと、直くんがいきなり私の頬を両手で引っ張る。


「い、いひゃい!(痛い!)」

「由乃ちゃん!こういう時は、ちゃんと甘えるの!分かった?」

「はひ…(はい…)」


「直の手当てが嫌なら!姫…俺が舐めて処置してあげよう!」


バコンッ!

直くん、哲くん、颯馬くんの3人に頭を殴られる京くん。

優しいのは分かるんだけど。
優しく気遣う方向が、1人だけ違う道に行ってるんだよね…。