愛する人の笑顔を守るために



『もしかして嶺ちゃん、由乃ちゃんに嫌われた?』


まさか、俺本当に嫌われてんの?
それだったら俺結構落ち込むんだけど。


由乃は、颯馬が好きなのか?


もしかしたらこのまま、俺の片思いは知られずに終わるかも…しれないな。


「嶺亜!嶺亜!」

「なんだよ」

「やっぱり人の話聞いてないでしょ!」


今はお前に構ってる余裕なんてねぇし。

佐々野 宮(ささの みや) 。俺のいとこ。
中学に入るまでは直も入れて、3人でつるんでた。

中学校を卒業してから、親の転勤で海外に引っ越した。

会う時はこうやっていきなり俺らの前に現れる。

ただそれだけ。

好意とか余計に1ミリも感じねぇし。


俺は、由乃以外の女には全く興味ねぇ。



俺の傍で笑っていて欲しい。


由乃を守るのは、俺だけでいい。


俺に振り向いて欲しい。



俺の醜い感情が、本当にムカつく。