3時間ぐらい聞き込みをしても、誰も事件の事を覚えている人はいなかった。

事件は2年前。そりゃ覚えてないはず。

空はまだ明るいっていうのに、時計の針はもうすでに夜の7時。


今日は諦めて帰ろうとした時。

誰かと肩がぶつかってしまい、手に持っていた切り抜きやメモなどが落ちてしまった。


「あ、ごめんなさい!」


すぐに謝り。落ちた物を拾おうとした時には、相手の人が先に拾ってくれていた。



ふと。ぶつかってしまった相手を見ると、服装がまさかの私と同じ学校の制服を着ていた。

赤いチェック柄のズボンに白のブラウスがちゃんとインにしてある。
だが、首元のボタンは外してあって、ネクタイもゆるゆるに締め付けられている。


それから、黒髪に銀メッシュがちょいちょい見える。

片方の耳には、軟骨ピアスが2つ。

何もセットされていないサラサラのストレート。


目元まである前髪からは切れ長の目がうっすらと見える。