「だから送ってよ!あ、なんなら一緒に泊まる?って言い方はちょっとおかしいか」


………


私は2人のこの状況に何が何なのか、1ミリも追いつけてない。


「ね!送るだけでもいいから!お願い!」

「嶺亜送って行ったら?」


モヤモヤとした感情が、醜い感情が、私の心を支配していく。


「直が送れよ」

「俺は"家"に行くから。反対方向でしょ?」

「俺だって"家"に行くわ」

「まぁまぁ!女の子1人じゃ危ないだろ?」

「……ッチ。だる」

「はい!決定ー!」

「まだなんも言ってねぇし!」


嶺亜くんの腕を引っ張って行く宮ちゃん。

嫌…。

行っちゃやだ…。


なんで…私はこうも醜いの?
知り合いでも無いのに、嫌な気持ちになる。


「早見?なんかあった?」