後半、花火に集中出来なかったけど無事に花火大会も終わり皆で帰ることに。
ベンチから立ち上がろうとした瞬間。
ツルッ。
やばっ!!
「っ!……大丈夫?」
私の体を右腕全体を使って転ぶのを防いでくれた哲くん。
「う、うん!ありがとう!」
前日、雨が降っていたみたいで少し滑りやすくなっていた。
「嶺亜ー!」
ベンチから離れようとした時、突然嶺亜くんの名前を呼ぶ声。
呼び捨てで呼んでいる鬼瑠の皆ではない、女の子の声。
ショートヘアの女の子が1人、嶺亜くんの元へ駆け寄る。
「は?宮?」
目を見開いて嶺亜くんが女の子を呼ぶ名前。
"宮(みや)"。
「え!宮ちゃん!?」
「え、直なの!?カッコよくなってるねー!」
まさかの直くんまで知り合いみたい。