ーバンッ!バンッ!


「「「うわー!」」」


会場にいる皆が、花火に視線を取られる。

本当に綺麗〜!

まじかでこんなに大きな花火を見たのも、いつぶりだろ。

来て良かったなぁ!


「由乃」


隣から聞こえる嶺亜くんの声。
名前を呼ばれて、自然と嶺亜くんの方に視線を合わせる。


「付いてんぞ」

「え?」


っ!!


嶺亜くんが私の口元に手を伸ばし、唇に触れる親指にはさっき食べた、たい焼きの餡子が付いてた。

拭ってくれた指を、嶺亜くんは自分の舌で拭った。

ニヤリと笑う嶺亜くん。

何もかもが恥ずかし過ぎる!


私の顔は、真夏の太陽に照らされるみたいに一瞬にして火照ってしまった。