学校の校門を出て家に帰る方向とは真逆の道へと足を進める。




「あの。すみません!」

「は、はい」

「1つお伺いしたいのですが、この事件の事で何かご存知ありませんか?」


とある街で。
私は通りかかる人達に、ある事件が掲載された新聞の切り抜きを見せて、聞き込みをしていた。



あの日。あの時。

ここの交差点で、お母さんが轢き殺された。



" 8月24日。午後15時。

早見 景子(45)さんが遺体で発見された。

信号機は青で車が沢山通る中、早見さんは間違えて信号機が赤だったにも関わらず、横断歩道を渡ってしまった。

その時、1台の車と衝突して病院に搬送されたが、すでに死亡が確認されていた。

目撃者は誰1人いなかったという。

警察は証拠不十分でこれを"事故"として処理をし、捜査は打ち切られた。"




デタラメばっかの新聞記事。


私は最愛の肉親を奪った奴を許さない。

"事故"なんて二度と言わせない。