愛する人の笑顔を守るために


待ち合わせ場所は、嶺亜くんと初めて会った時に待ち合わせしたあの駅。

そこで合流して、地下鉄で隣町に行く事になっている。

駅に着く頃、私の名前を呼ぶ千奈の声。
もう皆揃ってるみたいだから、私で最後。


「ごめんね!遅くなって」

「うわー!由乃ちゃんすっごく可愛い!やっぱりその色で正解だったね!」


黒をベースにした、白の花柄が描かれている浴衣。
髪型は頭の上にお団子結びで、白い花の髪飾りを付けただけ。

嶺亜くんの特攻服の色だからとかじゃないよ??
ちゃんと自分がいいと思った物なんだから!

って…私誰に言ってるの?


そんな事より、翔馬くんと千奈以外の5人がさっきから一言も喋らずに私の事ジロジロ見てて恥ずかしいんだけど。


「ほ、ほら!早く行くよ!」


もうこの際、気にしないでおこう。