いつも通り。
いつも通りにすればいい!

これが口癖みたいになって来たような。


パンッ!


自分の頬を両手で1発叩いて、インターホンを押す。


ピーンポーン。


「由乃ちゃーん!!」


ドアを開けた直後に、私に抱きついてきた千奈。


「久しぶり!千奈!」


千奈は3週間前から昨日まで、家族と一緒にイタリア旅行に行っていた。
それで、会うこと自体久しぶりなんだよね。


「さ!入って入って!」

「あ、お、お邪魔…します」


部屋には6人全員揃っていた。


「あ、直くん!」

「ん?」


直くんが紅茶を入れてくれようとキッチンに向かう途中で、呼び止めてしまった。