「…っ……ありがっ…とう…助けてくれて……ありがとう」


涙が止まらない。
我慢していた分、余計に溢れてくる。


「お母さんに……っ……会いたい…」


私の体は、嶺亜くんの腕の中。
温かい体温で包まれていた。


その時、聞こえたの。
ドクッドクッて。




私のじゃなく、嶺亜くんの心臓の音だった。