「泣きたいなら泣いていいから」

「…え?」

「さっきから泣くの堪えてるだろ」


気づいてたんだ。


「他のやつに泣き顔なんか見せんな。俺の前だけで沢山泣け」


それって…どういうこと…?

海を見ていた視線が嶺亜くんに向くと、嶺亜くんも私の事を見ていた。


「お前が落ち込んでいたら。俺が何度でも、ここに連れて来てやる」


優しく微笑む嶺亜くん。

嶺亜くんの言葉で、糸がプツンッと切れた。