皆の変わらない対応に、私は涙を堪えながらも笑っていた。


「由乃。ここはもうお前の居場所だ。

暇な時も嫌な事があった時も必ず1人はいるから、いつでも来い」


私の居場所……?


ダメだ…もう今すぐにでも泣きそう…。


「来い」

「…え?」


嶺亜くんが私の腕を掴み、部屋を出てバイクに乗る。

そして1時間ぐらい走った所に、白い塔が見える。
その塔の中に入り、嶺亜くんに再び支えてもらう。

階段を上がっていくと、そこは一面に広がる青い海が見えた。


「うわ〜!凄い!」


海には来た事あるけど、こうやって高い所から海を眺めるのは初めて。


「ここ。俺の気に入ってる場所」


そんな気に入ってる場所に、私を連れて来て良かったの?