君は覚えている?

ここで二人誓いあった日を。


寒空の下、

「いつかここで結婚しよう」

隣に並ぶ君の手をギュッと握りしめた。

「うん」と

笑顔でうなずく君の横顔に、僕の心は暖かくなったんだ。



それからいくつかの時を越えて、

あの日と同じ空の下、

果たせぬ誓いと君への想いを胸に、

僕は約束の地で一人たたずんでいる。


雪の降り積もる小さな教会の屋根と、

頬をさす冷たい風が、
寂しそうに
僕を迎えてくれた。


君がいない。
僕の隣に君がいない。

そんな事はずっと前からわかっているのに、

一人きりの寂しさが僕を襲う。

僕の心は今にも凍りついてしまいそうだ。



君は今、幸せですか?

あの時と同じ笑顔でいますか?


またいつの日か、
君と巡り会うことが出来るのならば、

もう一度ここで会いたい。

この見渡す限り一面の雪景色の中で、

君を強く抱きしめたい。


…いつの間にか、
見上げた空に太陽が顔を覗かせていた。

その優しい光の中でキラキラと輝く氷の結晶。


それはまるで、
ウェディングドレス姿で微笑む君のように眩しく、

とても美しかった…


さよなら
いつか会えるまで


僕は


ずっとずっと
君を想い続ける