『メル友なろ!』


私が携帯電話を初めて手にしたその日に、

メールが届いた。


まだ仲の良い友達にも番号やアドレスを教えてないのに…

かなり強い警戒心を持っていたけど、
それよりも好奇心の方が上回っていた。


「誰ですか?」


おそるおそる返事をしてみた。


『あたしアヤ。あなたは?』


「私サヤ。何歳?どこの人?」


『15歳、京都だよ!』


彼女はアヤ、15歳、京都の人。


そして

私は…サヤ、15歳、京都に住んでいる。


奇妙な偶然…

少し気味が悪かった。


携帯を買ったその日に突然来たメール。

相手は自分と名前が似ていて、年齢も住んでいる所も同じ。


イタズラだと思ったけれど、それからも私達のやり取りは続いた。


後で聞いた話、

アヤも私と同じ日に携帯を買って、
適当にメールを送ったらしい。

ただ純粋にメル友が欲しくて…


そんな出会いだったが、私達はすぐに仲良くなって

実際に会って遊んだり、家に泊まったりした。


目には見えない電波が繋いだ
一つの奇跡、

アヤと私の間にあったのは確かな友情だったーー…