「平沢ァ?」 「……はあ?!あのサイコ野郎の平沢かよ?!」 珈琲が零れそうな勢いでパイプ椅子から立ち上がった大河の顔を見て、冗談抜きでゆっくりと頷く。 大河パパや久本さん達はイマイチ、状況を把握出来ていなさそうだった。 そりゃあそうか。 大河パパは私と大河が付き合ってると思ってるから、まさかこの平沢が……『無理矢理、大河に離れさせられたメンヘラ気質のあの男』だとは思ってもいないだろう。 し、私自身……写真を見るまでは平沢くんの事なんて頭に無かった。