警視庁は何度来ても独特の雰囲気が漂っていて、一般人の私には居心地が悪い。

それが11階に有る特別会議室での会議となると余計だろう。

幾ら、私の父親が元捜査一課の人間とは言え、幾ら私が大河の助手として此処に来ているとは言え……それでも、やっぱり居心地は悪い。


安っぽい机の上にインスタントの珈琲が置かれて、思わず上を見上げた。そこには苦笑いを浮かべている久本さんが居る。


「今日の大河君、いつもにまして気合い入ってるけど何か有った?」

「いやっ…まあ、全然事件には関係の無い事で色々有ったとは思います。」