店内にはカウンターが15席とボックスが5席。
ボックスには婦警さん達軍団と、警視庁捜査一課で武道派と言われる警察4名が座っている。
勿論、彼達を接客するのも警察官。
大河と久本さん、三島さん等記者会見で平沢達也に既に顔が割れていそうな人達はカウンター内のキャッシャーで待機をしている。
カウンターには、私と5席離れた場所に久本さん直々の部下である鈴木さんが客として着席している。
カウンターの中にはママ、チーママ、そして鈴木さんの相棒で有る福留さん、近藤さんが居た。
普段ならお堅い仕事をしている男達が、揃いも揃ってド派手なメイクをし動きにくそうなドレスを着ているんだから、誰も何も言わないだけで内心は早く平沢を仕留めて開放されたい気持ちでいっぱいだろう。
この状況を心底楽しんでいるとしたら、ママくらいかな。どうやら鈴木さんの事がタイプみたいだし、接客から見ても捜査中である事を忘れてしまいそうだ。
『オカマバー?笑』
『別にいいけど…。ご飯とかは?食べに行かなくて良いの?』
と云う、1ミリたりとも私の誘いを疑っていなかった達也君に『どうしてもミアンで飲んで歌ってってしたいの!だから絶対来てよね?』と可愛らしいLINEを送ってから4日。
約束の時間まで、あとほんの数分。
キャッシャー内には大河も居るし、辺り全員が警察官だと考えると緊張や恐怖よりも、早く平沢本人の口から事実を聞きたいと云う焦りが先に来る。
チーママと近藤さんが作ってくれた竹鶴の水割りとグイッと飲み干すと……店内のドアが開いた。
