「でもそれって……!」


久本さんが驚きの声を上げた此処はいつもの居心地悪い警視庁11階、会議室では無く、警察庁14階に有る特別応接室だ。

どちらにせよ居心地が悪いのには変わり無い。でも二つ違う点を挙げるとするならば、先ずコーヒーサーバーがこっちの方が高いと云う点。


そして2つ目は………いつもなら警視庁のトップ達が集まっているのにも関わらず今回は警察庁のトップや偉い人達もがこの会議に同席している、と云う点。


映画で見かけるような丸いテーブルに座っている私たちの中で唯一、立ち上がって話しをしている男が居る。



その男こそが……昨日、散々私を抱いた神埼大河。



「それなら……それなら世紀に残る大事件だ!!」


「はい。大事件なんですよ、これは。」




「だけど、大河。話しがややこし過ぎる。もう一度説明してくれ。」

大河パパが、備え付けのお高いマシンで作った珈琲では無くコンビニで買ったであろうボスマウンテンの缶コーヒーを飲みながら、ゆっくりとそう言った。

私は大河パパの隣に座りながら、ただただこの場で怯える事無く屈する事無く自分の意見を述べている大河を黙って見守る。