「はあ。今日は進展発表か……。親父も来るってのに、これといった報告が無くてテンション下がるわ。せっかく昨日あれだけお前の事抱いたのに。」
「何それ、私がサゲマンみたいな言い方ね。」
「いや、それは飛躍し過ぎだろ。」
「別に大河だけが重圧を背負わなくて良いじゃん。それこそ言わば、大河の発表は他の警察官達の代理みたいなもんでしょ?」
「この豪華な朝ごはんは日本国民の気持ちの代理、であるように。」
と、言ってから私たち2人に数秒間が空く。
バチっと色々と凹凸有りながらもハマったこの感覚をお互いが示すかの様に目が合った私と大河。
「ちょっと待て、さくら。お前……」
「代理、って言葉よね?」
大河がスマートフォンで流していると思われる、バイオリンの音色がどうも私たちを解決に導いてくれた様だった。
みるみる内に、私の大好きな幼馴染の顔色が生気を取り戻していく。これぞ、何時も私が大阪の事務所で見ていたイケメン・サイコパスの顔つき、だ。
「サクラ……一時間で用意出来るよな?」
「う、うん!」
優雅な音色を止める事無く、テーブルの上に有る紙とボールペンを持ち何やら色々と書き示していく大河を見て、焦った私は次は大きなひとくちでハニートーストを平らげた。
そして、何を言われるまでも無く新しいバスタオルを持ってシャワーを浴びに行った。
