「えっ?どうしたの?」

「喧嘩?離婚?」

友達が不思議そうにそう言うけど、相手にするのも疲れる。そう思っていたら智香ちゃんと目があった。すぐに互いに逸らす。本当は、あんな風に言うつもりじゃなかったのに……。

「はあ……。どうしたらいいんだろう……」

一僕はため息をつきながら帰る。その時、「圭兄!」と声をかけられた。智香ちゃんの弟の隼人(はやと)くんだ。

「隼人くん、どうしたの?」

隼人くんは小学生で、僕とはよくゲームをして遊ぶ仲だ。最近はあまり行けてないけど、元気そう。

「どうしたの?」

「姉ちゃんのことでちょっと……」

隼人くんの言葉に僕はドキッとしてしまう。智香ちゃん、隼人くんに何を言ったんだろう。まあ、僕が悪いんだけど。

僕たちは公園に向かい、ブランコを漕ぎながら話すことにした。隼人くんが口を開く。

「姉ちゃんはさ、怖がってるんだ。またあの時みたいに大切な人を失うんじゃないかって」

「あの時みたいに?」