智香ちゃんは女子の友達と喋っている。この時だけは二人の距離は少し離れるんだ。こんな風に自由な時間がもっとほしい。このままじゃ何もできなくなりそうな気がして怖いんだ。

「でもさ、お前って智香とずっと一緒にいることに違和感ねえの？付き合ってるわけじゃないしさ」

友達の一人に言われ、僕は「う〜ん……。でも、幼なじみだし」と痛む胸を誤魔化しながら言う。本当は誰かに質問してほしかったんだ。

「俺の姉貴もてんかん持ってるけどさ、ここまで過保護にしてないぜ？」

友達の言葉がとても痛かった。小さな子どもみたいに智香ちゃんたちから扱われるのが恥ずかしくて、僕は顔を赤くする。

そろそろ気持ちを言いたいと僕はため息をついた。



授業が終わり、僕はかばんに教科書を入れる。これから部活だ。

「圭太、行こう！」

「う、うん！」

部活は楽しみ。新聞部に僕と智香ちゃんは入っている。本物の新聞記者のように人に取材をして面白い記事を書くのが部活内容。