学校。
奈緒がいない教室は、寂しく感じた。

「ね、空君。奈緒ちゃんって不登校?不登校ならさ、私のことを思った方が、学校生活楽しいんじゃない?」

高橋だった。
不登校?んなわけないじゃん!

「不登校じゃねーよ。記憶喪失なんだよ。」

ビックリした顔になった。
また何か言ったら、俺が怒られる。
卑怯な奴だ。

「記憶喪失って…」

もう言わないでくれ!ほっといてくれ!
お前らは、大丈夫なん?くらいな気持ちだよ。だけど、俺からしたら、大丈夫なん?くらいじゃねーんだよ。