俺たちは歩きながら、家まで帰っていた。

「どうするんだ?あのまま記憶がないうちに、奈緒ちゃんは、俺と付き合ってたんだ。とか冗談を言われて、そう大橋が思い込んだら。」

やりそうではあった。
俺は、そういう卑怯なことはしたくなかった。
気持ちは、記憶が戻ってから、伝えたい。

記憶が戻ったら、俺が奈緒に告白する!
そう願っている。

「記憶取り戻してくんねーかな。」

「記憶喪失って中々思い出さないらしいからね。」

奈緒…
前みたいに、笑ったり話したりしたいよ。