「まあ、聞いてください。さっき、私は後を継がないといけない。その理由は後継ぎ争いを起こさないためって言いましたよね?」

「ああ。」

「つまり、私が後を継いでも私の子供がいなければまた後継ぎ争いがおこるんです。まあそうでなくとも、周りは後を継ぐなら結婚しろと言ってくるんですけどね。」

「酷い親戚だな。」

「私もそう思います。それでそんな私を過保護なお父様が心配して見合い話を持ってきたんです。」

「なるほどな。」

「で、その話を教えられたのが今日の朝だったんです。婚約者の方とそのご両親と1週間後に会う予定になってるから準備しとけって。多分日曜日に一緒に食事に行くつもりなんだと思います。」

「それはまた随分急じゃないか?」

「私も、そう思ったんです。私は、恋をして彼氏を作って普通に恋愛をして結婚したいと思っています。それはお父様も知っているのできっと私が婚約破棄しようとすると思って先に相手と話を進めたんじゃないかって親友が言ってました。」

「まあ普通は嫌がるよな。」

「はい。私ももっとはやく知っていれば婚約破棄してました。だけどもう相手と話が進んでいるのでここで今私が無理やり婚約破棄しようとすると桜木カンパニー自体に影響が出るかもしれないんです。」

「じゃあもう婚約破棄出来ないのか?」