翌日の朝練。
やはり彼は一番乗りだった。
「おはよ、伽耶!」
「良くそんなテンションで言えるね。昨日あんなメッセージ送って来たくせに」
彼はいつもテンション高めで、私のことを出会って数秒で呼び捨てにしたとても馴れ馴れしい男だ。
そして、おとぼけマン。
「メッセージ?ああ、月が綺麗ですね、のこと?」
「しっ!誰かに聞かれたらどうするの」
「別に俺は構わないけど」
「矢吹くんが良くても私は嫌だから。お願いだから冗談は止めてよね」
私はそれだけ言って準備室から出ようとすると、彼に腕を捕まれた。
吹部男子はなよなよしてると思われがちだけど、普通に力はある。
特にこの人は打楽器系の運搬をちょくちょくやらされているせいか、筋肉がないとダメだと気付き、毎日自宅でダンベルを持ってトレーニングしているらしい。
「何?」
私が突き放すように冷たい口調で言っても彼の瞳は変わらず私を真っ直ぐ見ていた。
「俺はいつだって本気だから」
「だから私、何回も言ってるでしょ。私には...」
「好きな人がいる。だから笛吹くんとは付き合えない」
「分かってるなら諦めて」
彼の腕を振り払って睨み付けると彼が静かに言った。
「好きな人を諦められないのは伽耶も一緒でしょ?で、片想い」
「そ、それは...」
それはまあ図星なのだが、やっと可能性を感じられるところまで関係が発展してきたのにそんなこと言わないでほしい。
私達が言い争っていると、隣の音楽室から2、3人の声が聞こえてきた。
「とにかく何度言われようと私の気持ちは変わらないから」
私は彼にだけ聞こえるように小声で言ってそのまま音楽室に向かった。
やはり彼は一番乗りだった。
「おはよ、伽耶!」
「良くそんなテンションで言えるね。昨日あんなメッセージ送って来たくせに」
彼はいつもテンション高めで、私のことを出会って数秒で呼び捨てにしたとても馴れ馴れしい男だ。
そして、おとぼけマン。
「メッセージ?ああ、月が綺麗ですね、のこと?」
「しっ!誰かに聞かれたらどうするの」
「別に俺は構わないけど」
「矢吹くんが良くても私は嫌だから。お願いだから冗談は止めてよね」
私はそれだけ言って準備室から出ようとすると、彼に腕を捕まれた。
吹部男子はなよなよしてると思われがちだけど、普通に力はある。
特にこの人は打楽器系の運搬をちょくちょくやらされているせいか、筋肉がないとダメだと気付き、毎日自宅でダンベルを持ってトレーニングしているらしい。
「何?」
私が突き放すように冷たい口調で言っても彼の瞳は変わらず私を真っ直ぐ見ていた。
「俺はいつだって本気だから」
「だから私、何回も言ってるでしょ。私には...」
「好きな人がいる。だから笛吹くんとは付き合えない」
「分かってるなら諦めて」
彼の腕を振り払って睨み付けると彼が静かに言った。
「好きな人を諦められないのは伽耶も一緒でしょ?で、片想い」
「そ、それは...」
それはまあ図星なのだが、やっと可能性を感じられるところまで関係が発展してきたのにそんなこと言わないでほしい。
私達が言い争っていると、隣の音楽室から2、3人の声が聞こえてきた。
「とにかく何度言われようと私の気持ちは変わらないから」
私は彼にだけ聞こえるように小声で言ってそのまま音楽室に向かった。



