そして、小学6年生になったある日転機は訪れた。
私の通っている塾に佐倉由依の妹の紀依が通うことになった。
私は紀依を見つけるとすぐに駆け寄り、紀依に話しかけた。
紀依は姉に似て思っていることを正直に口に出すタイプの子で、私に心を開いてくれるようになると、私に母親や姉に対する不満をぶつけるようになった。
その心は私のように嫉妬や憎悪で濁りきっていて私と同じ波動を感じた。
「お母さんはお姉ちゃんに付きっきりで帰ってこない。あたし、お母さんに捨てられちゃったのかな?」
「そんなことないよ。お母さんはお姉ちゃんが良くなったらきっと帰ってくる。帰ってきたら紀依ちゃんとたくさんお喋りしてくれるよ」
最初はそんな前向きでいかにも模範解答みたいなことを言っていた。
しかし、話を聞かされていくに連れて私の胸にも紀依と同じ感情が沸き上がり、大きな渦を巻くようになった。
私の通っている塾に佐倉由依の妹の紀依が通うことになった。
私は紀依を見つけるとすぐに駆け寄り、紀依に話しかけた。
紀依は姉に似て思っていることを正直に口に出すタイプの子で、私に心を開いてくれるようになると、私に母親や姉に対する不満をぶつけるようになった。
その心は私のように嫉妬や憎悪で濁りきっていて私と同じ波動を感じた。
「お母さんはお姉ちゃんに付きっきりで帰ってこない。あたし、お母さんに捨てられちゃったのかな?」
「そんなことないよ。お母さんはお姉ちゃんが良くなったらきっと帰ってくる。帰ってきたら紀依ちゃんとたくさんお喋りしてくれるよ」
最初はそんな前向きでいかにも模範解答みたいなことを言っていた。
しかし、話を聞かされていくに連れて私の胸にも紀依と同じ感情が沸き上がり、大きな渦を巻くようになった。



